[movie] イット・フォローズ

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タランティーノが絶賛している(※1)とか、Rotten Tomatoesで97% Freshとか、一部でけっこう話題になっていた作品です。200万ドルだか何だか、という昨今の作品としてはかなり低予算で作っていて、「アイディア勝負」的な話だったので気になっていたんですが。

とりあえず、「志が高い」とまでは言わないまでも「志のある」映画だったのは間違いないです。怖いか、というと、まぁ言うほど怖くはないし、そんなにアイディアが凄いかといったら、まぁ全然そんなことはないわけです。ここで言ってるアイディアというのはプロットレベルの話ではなく、こんなクリーチャー(クリーチャーでもないのか)はどうだ、という単発のアイディアなんですね。まぁ上に貼ってるポスターにも書いてあるんでネタバレにはならないと思いますが、要は「ずっと歩いて追ってくる化け物」というコンセプトで、発想としては確かに怖い。絵面の怖さよりも、そんな奴がいたら嫌だ、という、「頭」に響くタイプの恐怖です。

最後、主人公二人を捉えたシーンも、多分、その前の病室のシーンと合わせて考えれば「志」を持ったエンディングではないかと思うので、そこは前向きに捉えたいと思います。全体の完成度が高くないというか、キャラクターの整理もプロットの整理も綺麗についていないので「美しくまとまった」感はないのですが、低予算一発勝負でこれを世の中に問うてきた姿勢は高く買いたいところ。(何様)

しかし、私はホラー映画自体そもそもあまり観ないんですが、観ないなりに一定の好みのようなものがあるものなんですね。改めて考えてみて思ったんですが、ホラー映画にはやはり、ハッピーエンドであれバッドエンドであれ、カタルシスが欲しいと思う性分のようで。恐怖というのは想像力とそれを抑制する力のせめぎ合いの中で生まれるものだと思っているのですが、私は前者の方が圧倒的に強いようで、けっこう恐怖演出とかには過剰反応する質です。そのため、ホラー映画を観ている時は基本的に極度の緊張状態に置かれてしまって、それゆえ必然的に何らかの「解放感」を強く求める傾向があるのかと思います。なので、限られた経験の中でいうと、ハリウッド版『リング』とか『ディセント』とか、おおおおこう終わっちゃうのかああああ、みたいな終わりが好きなんですよね。緊張から解放されるときにひねりが加わるのが気持ちいいというか。

その観点で、もう一押し欲しかった、というのが多分、一番正直な感想なんだと思います。そんな感じ。

(後日追記)

(※1) 冒頭に書いた「タランティーノが絶賛」ですが、実際には手放しの賞賛ということではなかったようで。「タランティーノが高く評価」の出元はVultureのインタビューであるようなのですが、そこでは”It’s one of those movies that’s so good that you start getting mad at it for not being great.”と言っていて、要は「これは出来が良過ぎて、逆に『最高』(great)でないことで腹が立ってくるタイプの映画だ」というコメント。これは非常に納得いきます。まさにその通りというか。これに対して監督のデビッド・ロバート・ミッチェルはTwitterで”Hey QT, why don’t we get together over a beer and talk about these notes. I have a few of my own for you.”と返していたりして、なかなか言うじゃないの、という感じ。

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